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福岡 / 建築家 / 土壌 / 耕す

先日、建築家/柳瀬 真澄さんの事務所設立25周年を祝う記念パーティーに出席した。福岡の建築に関わる様々な分野・世代の方々が集まっていた。柳瀬さんは福岡を代表する建築家であり、ボクの師匠である井本さんなどとともに、福岡で「建築家」という職能を切り開いてきた世代のひとりである。1995年にはじまった「福岡デザインレビュー(現在は卒業設計展的な側面が強いが、当初は学生の設計課題の批評を通して、都市や建築が抱える現代的な問題を議論することを目的としていた。2010年で15回目の開催となった)」や、1998年にイムズにて開催された「福岡の建築家による15の住宅論展(福岡では初となる建築家個人の思想にフォーカスした大規模な展覧会)」などは、彼らが企画し実現したものだ。当時学生だったボクたちは、それらの活動に大きな影響を受けている。
彼ら現在の50代建築家の方々が独立したとき、世の中には建築家の職能や「設計料」などに対する理解はほとんどなかったという。彼らが時間をかけて土壌を耕してきたからこそ、ボクらの世代が若くして独立し、建築の設計に関わることが出来るのだ。ボクたちにとって、諸先輩方にも負けない質の建築をつくることが彼らへの敬意であり、建築の楽しさや可能性を伝えることが後輩たちへの責任ではないだろうか。パーティーの最後に柳瀬さんのスピーチを聞き、会場全員で万歳三唱しながら、考えたこと。
余談:実は井本さんも事務所設立25周年だったことが会場でわかり、区切り良く(氏いわく)27周年(2012年12月)の際にお祝いしようと考えています。みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。