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警固の住処|竣工

警固の住処|竣工

 警固の住処、無事に竣工し、内部の引渡しを行いました。
 工事に入ってからすぐに基礎などの状態がよいことがわかり、構造的な問題が早い段階でクリアできたので工事がスムーズに進むかと思っていたら、なかなかそうはいかないものです。計画に不必要な部分を解体してみると、建築当初の床や下地のつくり方はとてもきれいで、新しいディティールを移植的に施していくよりも、できるだけ、このなんでもないディティールを引用し、反復して新しい状態をつくることが自然なように感じて。元々使用されていた材料と全く同じ形状のものをつくってもらいそれを反復して張ったり、元々の材料の目地をそのまま延長したり、形状は全く変えずに木の質感を閉じ込めるように無彩色で塗装したり、淡い黄色の塗壁だったところ炭素繊維入りのグレーのプラスターで仕上げたり。住宅に存在していた素材や仕上げ、仕口や目地などの情報を一度バラバラに解体して、新しい解釈で再配置していきました。結局、工事がはじまってから、当初決めていた仕上げや納まりを全て変更することになってしまいました。元々の仕上げがそのまま残っているところはほとんどないのですが、新しい生活の場所として、でも、明らかにそれまでの暮らしの延長であるような状態で、工事を終えることができたのではないかと思っています。 今週末にはお施主さんと一緒に探した家具も搬入されて、おばあさんと娘さんご夫婦3人の新しい生活が始まります。お盆が明けると、外壁の改修や、外構の工事を行うことにしています。

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