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面検索的設計プロセス
私たちの事務所では、構築的に設計を進め、コミュニケーションを図るために、面検索的にスタディーを行っている。都市計画による決定事項や関連法規、敷地状態や周辺状況などのリサーチと、クライアントやプロジェクトに関わる人たちに対してのヒアリングなどを通して課題設定を行い、解釈をもとに条件を選択し、プランと模型を製作。それをプロジェクトに関わるメンバーで議論・評価し、再解釈する。この「解釈→選択→評価」を繰り返し、できる限りの可能性を「面検索的」に検討していく。全ての思考の履歴は図面と模型とタグ(言葉)によってまとめられ、それを再度客観的に評価し、更新する。
プロセスとは、演算(=このプロセスを辿るとこのような結果に行き着く)と逆算(=どのような履歴を辿ってここに辿り着いたのか)ができることがとても重要で、それ以上でも以下でもないかもしれない。しかし、そのようなプロセスやコミュニケーションを経由し、出来るだけの多くの価値や情報を読み込んだ共有知を形成していくことが、新しい建築につながるのではないかと考えている。また、そのような「けんちく」をつくる過程で生まれる「どう思う?」や「こう思う」という議論を共有することで、まちや建築の見方を増やしたり、新しい気づきを与えることができたらと考えている。