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大工が現場で細かな加工をしたり、同じ形状のものを大量に製作する際に、通称「バカ」(地域や職人によって呼び方は異なる)と呼ばれる土台をつくることがある。お手製の治具のようなもので、それに材料を添えて土台通りに加工すると目的の部材を簡単に製作できる。「部材」をつくるために、まず、その環境を「土台」としてつくるのである。
今回、モバイルハウス(の構造体)をつくるための作業台(バカ)をつくった。その作業台に材料を添えて組み立てていくと、誰でも簡単に、「製品的なモバイルハウスを自分の手でつくることができる」状態を設計しようと考えた。つくる仕組みだけを、軽々と届ける。仕組みは単純で、青い部分に材料を添えてビスで固定していくと、「T型」「L型」「45度」の3種類の部材を製作でき、そこでつくったパーツ(部品)を、濃いグレーの型に合わせて組み立てると、家型のフレームをつくることができる。インパクトドライバーなどの工具を使ったことが無い人が、しっかりと材料を固定するのはなかなか難しいだが、これがあるとあっ言う間にしっかりとした構造のフレームを製作することがでる。それを立てて金太郎飴的に連結していくと、モバイルハウスの構造ができあがる。
将来的には、この仕組みをオープンソースとして誰でもダウンロードできる環境をつくり、作業台の原寸平面図と組み立てピースをパッケージとして提供したいと考えている。