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てんすいオープンデイ|天水町での場づくり

先月5月31日(土)に、「てんすいOPEN DAY」というイベントが開催されました。このイベントは、熊本県玉名市天水町にある「天水福祉事業会」さんが、地域の方や関係者、そして誰でも気軽に参加できるように施設を開放する特別な一日です。

天水福祉事業会のみなさん
法人でつくるみかんジュース

天水町との関わり

数年前から、熊本県玉名市天水町にある社会福祉法人「天水福祉事業会」さんの場づくりに関わっています。この法人は、地域の「あったらいいな」という声に耳を傾けながら、児童・障がい・高齢の3つの福祉分野に取り組んでいます。

この場所に通うようになったきっかけは、2021年に日本財団が実施した「みらいの福祉施設建築プロジェクト 2021」でした。このプロジェクトは、地域福祉の拠点となるような社会福祉施設を目指し、「事業者と設計者」が協働して提案を行う建築関連の助成事業です。天水福祉事業会さんから設計者として声をかけていただき、短い期間でしたが、職員の方々、施設の利用者、児童館に通う子どもたち、そして地域の方々にもお話を伺いながら、全体の構想を練っていきました。

日本財団「みらいの福祉施設建築プロジェクト2021」
天水のみなさんと一緒にまとめた提案書

「まずはやってみる」から始まった小さな変化

この提案は残念ながら採択には至りませんでしたが、このプロセスで生まれた対話がきっかけとなり、「できるところから、少しずつやってみよう」という機運が職員の皆さんの間で高まっていきました。それ以来、毎年ひとつずつ目標を定めて、施設の手入れを続けています。

初年度には保育園の一部を減築して、園内を回遊しやすく。翌年には相談室を地域に開く拠点として改修。どのプロジェクトも、「あるものを活かし、ないものは最小限でつくる」ことを意識してきました。この1年は、園庭に沿ってベンチを設けたり、建物をつなぐ通路を中庭として整えたりと、外部空間の整備も進めてきました。

楠の周りの円形ベンチ
園庭に沿って作られたベンチ
飛び木
園庭と施設を繋ぐ新たな中庭

毎年プロジェクトが完成すると、「オープンデイ」と名付けたお披露目イベントを開催しています。(2023年2024年の様子はこちら)トークイベントやマーケット、ワークショップなどを通して、「地域」と「福祉」をつなぐ1日。初年度は私たちも企画から深く関わりましたが、年々、現地のスタッフのみなさんが主体となり、今年は全てを自分たちで企画・運営されました。そういう意味でも、今回のオープンデイは「本当の意味での初回」となりました。

初年度は、「せっかくイベントを企画するなら、普段なかなか買い物に行く機会がない利用者にも買い物を楽しんでもらいたい」という小さな願いから、マーケットなどの取り組みが始まりました。そこに、「子どもたちやそのご家族が一日ゆっくりと過ごせる場をつくりたい」、「地域の人たちにも気軽に立ち寄ってほしい」、さらに「もっと多くの人に“天水”のことを知ってもらいたい」という思いが加わり、このような素晴らしい取り組みにつながっていきました。

もともとは1日限りのイベントだったオープンデイですが、ここで生まれた出会いや会話が、新たなプロジェクトや継続的なつながりへと育っています。小さな変化からはじまったこの活動は、もはや一過性のイベントではなく、地域に根ざした「ライフワーク」になりつつあります。

今回のオープンデイでは、今までとはまた違った、特別に心地よい空気が流れていました。それは誰か特定の人がつくったものではなく、「迎え入れる側」と「訪れる側」が、立場を超えて一緒の時間を過ごし、楽しんでいたからこそ生まれた雰囲気だと思います。場が開かれ、人が集まり、自然に関係が生まれる。そんな風景に、あらためてこの場づくりの意味を感じた1日でした。

2025年オープンデイの様子
 
 
 
 
 
 
トークイベント『街の声を聴く』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

[写真クレジット]

1~2 ©Yoshikazu Shiraki
4~8 ©︎rhythmdesign
9~31 ©Haruki Anami

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