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豊見城の住宅|家族の寝る場所

沖縄で進めている豊見城の住宅ですが、いよいよ竣工を迎えます。

 これまでの資料をいろいろとまとめていたら、この住宅の計画をはじめて2回目のリアリングの際に、お施主さんの旦那さんが持ってきてくれた資料が出てきました。この資料、旦那さんが「家族の寝る場所」をまとめたチャートなんです。この住宅ができて家族で暮らし始めたときに、みんながどこで眠るのか、そこには、将来的に増えるでろうお子さんの欄もちゃんとあって(笑)。5年後、10年後、20年後と、年を重ねるごとに変わるであろう生活のスタイルも想定されていて、とても詳細にまとめてありました。
   
 それは、「家族が寝る場所」を正確にシミュレーションして、ボクたちに伝えたい、ということでは全くなくて、「どのようにしたら、できる限り長い時間、家族と一緒に過ごすことができるのか」それを確かめるための資料だったんですよね。お施主さんなりの「家族の未来予想図」というか。ボクにもお施主さんのお子さんと同じ年の息子がいて、その気持ちは痛いほどよくわかって(笑)。

 それ以前のボク(自分に妻や子供がいない頃のボク)だったたら「とても几帳面な方なんだなぁ」と、お施主さんの本当の想いに気づかなかったかもしれないなと。このA4一枚にまとめらていたものは、どんな資料よりも、重要な資料になりました。計画がいろいろな方向に振れたときに戻ってくるべき重心になっていたというか。コンクリートと木造の混構造にするとしたことも、この資料がはじまりだったのかもしれませんね。だって、家族の日常の居場所となる2階と、3階のみんなの寝室をコンクリートの床で断絶させてしまうよりも、上で誰かが寝返りを打ったら音がするくらいの関係の方がいいでしょ? なんとなく、家族の気配が感じられて(笑)。
 
明日(今日?)は、現場に行きます。最後の設計検査です。現場も方達も最後まで頑張ってくれていたようで、とても楽しみです。

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