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ゼルコバコーヒー|コーヒーの飲める豆屋

コーヒーの生産地/ファーム
コーヒーの生産地/生産処理
コーヒーの生産地/流通・品質管理・バイイング
2024.02.14.

「zelkovacoffeeえき」の設計において、あえて「カフェ」とは呼ばず、「コーヒーショップ」と位置づけた。それは単なる言葉の違いではなく、この場所のあり方を決める重要な問いでもあった。設計の過程で、クライアントとの議論の中心はひとつだった。ゼルコバコーヒーは、「カフェ」を目指すのか。それとも、「豆屋」を目指すのか。

ゼルコバコーヒーの本店は、うきは流川の集落「ぶどうのたね」の一角にある。1階は大きな焙煎機とバーのようなカウンター席、2階にはテラスに面したテーブル席。自然豊かな環境の中で、ゆっくりとコーヒーを味わうことができる場所だ。

店主は、ケニアやエチオピアなどの産地へ自ら足を運び、長い時間をかけて現地の生産者と関係を築いてきた。産地に足を運ぶことには、二つの意味がある。ひとつは、自分の目で見て豆を選ぶこと。もうひとつは、その土地の暮らしに触れること。

さらに店主は、将来にわたって豆を買い続けることを約束し、関係を築いている。それは生産者にとって大きな意味を持つ。継続的な売上が見込めることで、より良い豆を育てるための設備投資や環境整備が可能になる。その循環の中で、産地の暮らしを支えることにつながっていく。

「豆が買えるカフェ」をつくるのか。それとも、「コーヒーが飲める豆屋」をつくるのか。

店主が最後に選んだのは、「コーヒーが飲める豆屋でありたい」という言葉だった。この一言が、このプロジェクトの方向を決定づけた。それは単に大量の豆を並べて豆屋らしく見せるということではない。「豆屋である」という宣言は、産地とともにあり続けるという姿勢の表明である。生産者家族の暮らしを支えながら、質の高い豆を遠く離れた日本の日常へ届けること。その思想を、この場所でも体験できるようにすることだった。

[写真クレジット]

1~22 ©zelkovacoffee

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