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クライアントはビニルハウスなどの農業用資材を扱う会社を経営している。仕事柄、農産物の生産者と会うことが多く、どこの野菜がおいしいかなどよく知っており、お世話になっている有能な生産者の方達の作物を仕入れ、提供できる場所を都市部にと考え、このレストランを計画したという。
計画地は集合住宅やオフィスが立ち並ぶエリアにあり、人工物に囲まれた場所である。自慢の野菜が盛られている風景や食を媒介とした賑わいを表出させることで街に彩を添えたいと考え、全面開放できる木製建具を設けて開放的な空間をつくった。
室内から外に視線を移すと、窓の先にある風景は人工的な街並みである。『自然』と『人工』の中和(調整/調和)を図るため、アスファルトの駐車場には、形としてはリジット(直線的)だが表層を植物(芝)で仕上げた、直線で描かれた芝生の山をつくった。