クライアントはこの地域で整形外科病院を運営する医療法人である。旧街道沿いにクライアントが運営する施設が点在しており、この計画はその中央付近に位置している。まちの健康を支えるこの病院は、怪我をした人々だけではなく、地域住民が身体のメンテナンスを目的に日常的に訪れる場所でもある。地域の人々の健康を長く支えていくための『リハビリテーション』は体力仕事でもあるため、積極的に地元の若い出身者をスタッフとして雇用している。

　ここは、その若いスタッフの子どもを一時的に預かるための企業内保育の場所である。1階には託児所を、2階にはオーナーの法人のメインオフィスと、多目的に利用できる空間を設計した。2階の多目的スペースはスタッフの休憩スペースとしても利用されているため、仕事の合間にここを訪れ、子どもの様子を確認したり、一緒に昼食をとったりすることもできる。

　また、将来的な建物自体の用途変更に備え、一定のルールが反復する、シンプルな木造架構を採用している。