自然の恵みを感じながら、静かな時間と食事を楽しむことをテーマに開催された『女木島フードキャンプ』。その日のためだけに準備された食事を、その日のためだけに集まった人たちと楽しむ、そのための仮設の構造体をデザインした。
Text
『鬼ヶ島』といわれる、高松市の沖合に浮かぶ小島『女木島』。ここに、瀬戸内芸術祭の会期中に問題となる『宿泊施設』と『食事提供』の不足を解消するための場づくりを、地域の人たちと一緒に行うことになった。『女木島フードキャンプ』は、自然の恵みを感じながら、静かな時間と食事を楽しむことをテーマに、その日のために設けられた場所で、その日のためだけに準備された食事を、その日のためだけに集まった人たちと楽しむイベントである。このイベントのための仮設構造物に、治具に沿わせて木材を組み立て、それを建て並べるだけで出来上がる屋根付きのテーブルベンチをデザイン。屋根幕材は耐候性のある無地の耐水紙を使用し、ビニルハウス用のスプリング金物で固定する、シンプルな構造とした。建築やデザインを学ぶ高松市の学生と一緒に、ワークショップ形式で製作・設営を行った。